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「これをコミカライズって正気か?」…女子高生が蜘蛛に転生する『蜘蛛ですが、なにか?』の制作秘話を公開!【馬場翁(原作)、かかし朝浩(漫画)対談】[PR]

「蜘蛛ですが、なにか?」とは…。
シリーズ累計12万部を突破した、Web発の異世界転生アクション小説。女子高生だったはずの主人公「私」は、ある日蜘蛛に転生してしまった……。
この迷宮を生き残るには? 脱出するためには? 新感覚サバイバルストーリー。





1500万人が読んだWeb小説「蜘蛛ですが、なにか?」の書籍第3巻とコミック第1巻が同日発売!

馬場翁:
「蜘蛛ですが、なにか?」の原作者。カドカワBOOKSから既刊3巻を発売。2015年より、小説投稿サイト「小説家になろう」で「蜘蛛ですが、なにか?」を発表。多くの読者を惹きつけ、同年年間ランキングで1位を獲得。現在もWeb版は連載を継続中。



かかし朝浩:
ヤングエースUPにて、コミックス版「蜘蛛ですが、なにか?」を連載中。7月9日に第1巻が角川コミックス・エースより発売。代表作に「暴れん坊少納言」など。



──(編集担当) 両先生とも本の作業を終えたばかりところ、お集まりありがとうございました。特に馬場先生は、本当に数日前に書籍化修正の作業を終えたところです。

馬場翁(以下/馬場):本当にお疲れ様でした。

かかし朝浩(以下/かかし):お疲れ様でした。結構手間がかかっていますよね? 巻が進むごとに、軌道修正した分の初期からのズレを直したりして……。

馬場:それに加えて、巻が進むごとに書きおろし部分が多くなってるんです。1巻が、Web版に対して3分の1程度書きおろしていて。ストーリー的にはほぼ変わりないんですけど、細かい文章を直しています。

かかし:たしかに、Web版とは結構印象が変わりました。

馬場:2巻は半分、3巻も同じかそれ以上直しています。

かかし:「なろう*」にある文章量を考えると、結構なものですよね。半分って……。1巻では、「卵」とかが出てきて(*)。卵……卵!? みたいな。

*なろう…「小説家になろう」。Web上にある、小説投稿サイト。
*卵…Web版には登場しない、書籍版で追加された要素。





「転スラ」「モンハン」……影響を受けた作品たち。主人公・蜘蛛子の戦闘スタイルは特化型ステータス

―― 連載前から「小説家になろう」の小説は読んでいたんですか?

馬場:そうですね。といっても、読み始めたのは連載を始める1年前くらいです。ガーッと読みまして、その勢いで書きはじめた感じです。

―― 影響のあった作品はありますか?

馬場:やっぱり、一番影響を受けたのは「転スラ(* 転生したらスライムだった件)」だと思います。ああいうふうに、主人公が突き抜けて強いタイプのマンガや小説を読んだことがなかったので。すごく新鮮だったんですよね。

かかし:あれがパイオニアですよね、このタイプの。

馬場:あの作品があったから、「よし『魔物転生』しよう」という発想になったので。

かかし:色んなものに転生するお話があって、最終的に畑になる主人公とかいますよね(笑)。あとは「転生する人を跳ねるトラックを運転する人」とか。「転生トラック(*)」って単語になっちゃうんだ!?みたいな。

*転生トラック……一時期、「小説家になろう」では「トラックに轢かれ、死ぬことで異世界に転生する」ことがはじまりのストーリーが流行していた。
馬場:とはいえ、「蜘蛛が主人公」だから人気が出るとは思ってなかったですからねー。「だって蜘蛛でしょ!?」みたいな。
で、「転生してチート能力もらって無双」するような当時「なろう」ではやっていたテンプレをことごとく外していった感じでした。転生はするけど、チート能力はない。弱い、死ぬ……、みたいな。

かかし:アンチってむずかしいですよね。定石の外って、定石以外のすべてがあって、セオリーがないから。うまく再構築するのって難しいんですけど……そこに関しては馬場先生、間違いが無いですよね。

*蜘蛛子…「蜘蛛ですが、なにか?」主人公の愛称。
―― 「蜘蛛」というチョイスのインパクトだけでなく、主人公独特の性格や戦い方も非常に面白いところだと思います。

かかし:正直、蜘蛛子(*)のような「特化型ステータス(*)」っていうのは文系男子的にそそるものがあります。力押しじゃないタイプのスタンドで勝つ感じ。「スタープラチナに勝てる遠距離操作型」みたいな。

*特化型ステータス…「蜘蛛ですが、なにか?」序盤において、主人公は蜘蛛であるがゆえに「蜘蛛糸」や「毒耐性」といった地味なステータスにのみ特化していた。
馬場:ロマンがありますよね。


―― お二人ともゲーム、特に『モンスターハンター』がお好きですよね? どんなプレイスタイルですか?

かかし:モンハンでも僕は真っ先に毒片手つくります(笑)。勝手に死んでくれればいいかな~みたいな。片手剣でもうひたすらアイテムと毒を使って、罠をかけて逃げ回っているうちに相手を倒すのが好きです。

馬場:双剣を使っています。モンハンクロスをいまやってるんですけど、双剣の武士道スタイルです。逃げるんじゃなくって、突っ込んでいくスタイル。回避しながら攻撃できる。

かかし:手数をとめずにそのまま切り続ける、みたいな(笑)。

―― 蜘蛛子の戦闘スタイルはそこから来たんですか?

馬場:そうですねえ。影響を受けているところはあります。攻めて攻めてみたいなところとか。ただ、モンハンではアイテムとか罠とか全く使わないので、そこらへんは蜘蛛子とは違っていますね。

かかし:もうつるぎ一本で?

馬場:つるぎ一本で。

―― 文章はそういったゲームの画面をイメージして書いてるんですか?

馬場:ゲーム画面っていうよりは、その時々の情景をイメージしながら書いています。動きを頭のなかで動かしつつ書いてるので、変な動きはなるべくないように……さっきまでA地点にいたのにB地点に跳んでるぞ? とかはないように描写してます。





同業者からも「あれをやるの? どうやって!?」と驚かれたコミックス版も同時発売

かかし:担当さんと、何をやろうか打ち合わせをしていた時に、「『なろう』で一番大きいのをもってきました!」って言われて。それが『蜘蛛』で。なにを持ってきてんだろう……と。

―― やはりそういう反応になりますよね。

かかし:同業の作家さんにも「よくやったな!?」って言われることが多いです。「あれやんの? どうやって!?」って言うんですよ。

馬場:原作者としても、コミカライズの話をもらったときの第一声は「正気か!?」でした。


―― 最初の、主人公が蜘蛛に生まれ変わったら大量の兄弟蜘蛛がうようよしていた! というインパクトあるシーンから、きっちり漫画にしていただいています。

かかし:あれはちょっと泣けてきましたよ。「描くんじゃなかった」って。コピペで増やしてるんですけど、それでもきつかったですからね。

かかし:蜘蛛も大量、ゲジ*も大量でした。でもゲジはまだ大丈夫です、節をコピペでのばしてるんで(笑)。ただもう、蜘蛛に関しては、兄弟を一体一体描くしかないんで……コピペできなかったですからね。卵はある程度増やしましたけど……それが限界ですからね、あれ。

*ゲジ…主人公が転生したファンタジーな世界にいる「ゲジゲジ」に似た生き物。正式名称は「エルローフェレクト」。このあと出てくる「蛙」「猿」なども異世界での正式名称があるが、主人公が地球の生物に擬えてそう呼んでいる。



―― 卵といえば、漫画版だとあの「卵」の使い方も斬新でしたよね。

馬場:あれはちょっと、漫画を読んで「おおっ」ってなりましたね。

かかし:絵面重視で入れ替えさせていただいているので。順番も相当パッチワーク気味に、コマ割り重視でやっています。単純に文章を追いかけて行くとコマが割れなくなっちゃう。でも、原作が文章なのでなるべく活かしたいという思いも持ってやっています。


―― そもそもの蜘蛛子のデザインについても、結構揉みましたよね。

かかし:(原作の)輝竜司さんのデザイン絵は、「ガンバの冒険」みたいですよね。あれはすごくかわいいんですけど。ただあのデザインだと、自分は動かせなくって。頭を体と別にしないと、表情がつけられませんので。

―― 漫画ではモノローグで人間の顔を描くのも検討していましたが……話の根幹に関わってしまうからできない、と。

馬場:主人公の前世が何者か? は、お楽しみの一つなので。

かかし:いまのデザインは、自分が動かしやすいところまでデフォルメに落とし込みました。打ち合わせの時に「ポケモン映画でシビアな話や感動する話がいけるのであれば、ポケモンくらいのデフォルメ率でいいのでは?」っていう話がでて。そのおかげで、表情がつけられる今のデザインができました。

―― 蜘蛛はかなりデフォルメしつつ、他のモンスターはデフォルメしないでいこう、と。

かかし:そうですね。そういう感じで落ち着きました。

馬場:おかげで、いろいろと躍動感あるポーズがあっていいですよ。

かかし:いま描いているのも珍妙なポーズです。
レベルアップのたびに遊んでます。つぎは何しようかな?なんて(笑)。

馬場:じゃんじゃんやってください。楽しみにしてるんで。
あの「あひゃひゃ」の表情とか。「お前これ絶対主人公じゃないだろ?」みたいな。





―― 蛙とかも、表情豊かでしたね。

かかし:ちょっとムカつかせようと思って。

―― 蜘蛛子が蛙の股の下をくぐっていくところは印象的でした。

かかし:あのびっくりした表情は、GTOを参考にしてまして。
藤沢とおるさんが、黒目の「終わったー!」みたいな顔を描くのがすごいうまくて。あの当時のマガジンは顔芸スキルが異常に高かったんです。





―― 「描くのが人間じゃないから、今まで培ってきたスキルが活かせるのか」と悩まれていましたけれど……。

かかし:描いてみると意外と描けちゃうんですよね。「合うわこいつ」と。ナマズとか鰻も自分で動かすのがちょっと楽しみです。

―― コミックスは、これから山場に入っていきますよね。

かかし:この間ちょうど打ち合わせをしたのですが……「猿戦、どうする?」と。これまでのなかで、描写面で最大の山場になりそうです。

―― 原作者として、これから描写が楽しみなシーンはありますか?

馬場:やっぱり猿戦ですかね(笑)。

かかし:もう2016年夏は「猿の夏」ですよ、もう。

馬場:まずは、大量の猿を……。

かかし:すごい量の猿を(笑)。



(書き起こし了)


いかがでしたでしょうか?
「蜘蛛ですが、なにか?」は、「小説家になろう」で掲載されたものから大幅に加筆されて第3巻が 2016年 7月 9日に発売します。いよいよ宿敵である「地龍アラバ」と対峙する蜘蛛子! エルロー迷宮にきたばかりの頃とは違う、成長した彼女の魔法ははたして通用するのでしょうか?

また、以前から気になっていたけれど「蜘蛛は……」という方にはコミックス版もお勧めします。蜘蛛子の絵柄もキュートに、しかし原作の迷宮サバイバル感はそのままに詰め込んだコミカライズ。角川コミックス・エースより単行本1巻が発売中、またWebのヤングエースUPで好評連載中です。気になる方はまず公式サイト(https://web-ace.jp/youngaceup/contents/1000013/)をチェックしてみましょう!






※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。

提供:カドカワBOOKS


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